美食地政学の観点から見た望ましい農林資源管理

地域の未利用資源を活用した商品を開発が循環型社会の推進及び、地域レジリエンスの向上に効果的に貢献するために、生産地と結びつきのある産品である地理的表示(GI)の登録の枠組みを適応させることが重要です。GI産品の登録では、生産、流通、加工部門が地域において連携、合意形成を行うことが求められ、未利用資源の活用でもその枠組みが有効です。本研究開発課題においては、地域の未利用資源の提供先として有機農業を対象に加えます。小規模農業生産者は集荷先が限られるため食品ロスが課題となっており、有機農業を地域で進行する場合でも同様の課題が挙げられます。さらに、有機農業は化学肥料、化学合成農薬を使用しない点は環境親和型と言えますが、産品の品質の統一が難しく、生産物のロスの発生が恒常的な課題となっています。そのため、有機農業を未利用資源の活用の対象にすることは、地域産業の育成、地域環境の保全に貢献する点より必要であると言えます。

研究開発課題リーダー 香坂 玲 (東京大学大学院  農学生命科学研究科 教授)

Ryo Kohsaka

東京大学大学院 農学生命科学研究科、日本学術会議連携会員
東京大学農学部卒業 ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、ドイツ・フライブルグ大学の環境森林学部で博士号取得。国連環境計画生物多様性条約事務局 (農業・森林担当)に勤務。帰国後、大学教員として2010年のCOP10支援実行委員会アドバイザー等として活動。著書に「有機農業で変わる食と暮らし」「地域再生」「生物多様性と私たち」(岩波書店)「森林カメラ 美しい森といのちの物語」 (清水弘文堂書房)、編著書に 農林漁業の産地ブランド戦略―地理的表示を活用した地域再生など。
研究室ホームページ:https://kohsaka-lab.jp/