栄養塩類/サプライチェーンを通じた環境影響評価

窒素やリンなどの栄養塩類は農業生産の生産効率を決定する上で重要な資源であるとともに、水圏・環境圏に流出した栄養塩は富栄養化や酸性化などの負の環境影響を引き起こす原因物質でもあります。水環境の保全の観点で排水処理技術の高度化は生活圏からの栄養塩排出を防ぎますが、一方で沿岸養殖業において貧栄養化による海苔養殖における色落ちや、水産物の収穫減少なども課題となっています。沿岸海域における漁業生産や沿岸生態系の生物資源量の変動メカニズムを把握するためには、海洋生態系食物網の基盤となる一次生産者(植物プランクトン、付着性微細藻類、岩礁性藻類、アマモ類等)の生産力を支配している栄養塩環境の理解は重要不可欠です。沿岸養殖や、沿岸での水産業を持続可能なものにするために、適切な栄養塩管理のもとで経済圏から流出する栄養塩のフローと、水圏の栄養塩供給の関係性を明らかにする必要があります。

研究開発課題リーダー 松八重一代(東北大学 大学院環境科学研究科 教授)

Kazuyo Matsubae

1974年東京都生まれ。1998年早稲田大学政治経済学部政治経済学科卒業、2004年早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程(理論経済学・経済史専攻 計量経済学専修)単位取得の上退学、博士(経済学)。東北大学大学院環境科学研究科(助手・助教・准教授)、工学研究科(准教授)クイーンズランド大学(訪問准教授)を経て、現職。
研究室ホームページ:http://web.tohoku.ac.jp/matsubae.lab/