研究開発課題

研究開発課題3

地理的環境認証・
ブランディング

農林水産品は、川上から川下といわれる生産から消費までのサプライチェーンを通じ、複数の産業が関わり、近年では気候変動への適応は喫緊の課題となっている。伝統的な産品についても、その生産は特定の地域内で完結しておらず、陸・海連携のように複数の地域、集落を含んだ生産システムに組み込まれてきた。そのため、気候変動に適用し、環境保全に貢献する未利用産品の活用や、陸・海連携で生産・活用される産品については、地域をつなぐサプライチェーン全体での環境の負荷の可視化、その結果を受けたPDCA、消費者を含む関係者へのコミュニケーションが必要となり、規格・認証を通じた取り組みが不可欠である。
本課題では、特定のエリア内での生産方法、連携、合意形成を行うことが求められる地理的表示保護制度(GI)の空間的な地域認証を参照しつつ、環境保全の要素を加味し、エリアと環境保全の基準を組み合わせた認証を提示する。

研究開発課題リーダー 

課題3:香坂玲 Ryo KOHSAKA:リーダー

香坂 玲

Ryo KOHSAKA

研究開発課題リーダー・研究開発責任者
東京大学 農学生命科学研究科 教授

1975年静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、英国のイースト・アングリア大学で修士(環境開発学)、ドイツのフライブルク大学の環境森林学部で博士号(理学)取得。2006年国際連合環境計画(UNEP) 生物多様性条約事務局勤務(農業・森林・持続可能な利用担当)、東北大学大学院、名古屋大学大学院等を経て、現在は東京大学農学生命科学研究科/農学部教授。日本学術会議の連携会員(環境学 : 25,26期)も務める。専門は森林科学、自然資源マネジメント、地理的表示、風土論。
気候変動に適用し、環境保全に貢献する地域を目指すためには、地域未利用農林水産品の活用、地域間をつなぐサプライチェーン全体での環境の負荷の可視化、消費者を含む関係者へのコミュニケーションが必要です。そのためには地域の特性に対する住民の認識を高めることが重要であり、規格・認証を通じた取り組みが欠かせません。本プロジェクトでは、志摩市、東松島市を対象に、エリア内での生産方法、連携、合意形成を行うことが求められる既存の環境認証、クレジット事業、風土と産品の結びつきを示す地理的表示保護制度(GI)の空間的な地域認証を参考に、環境保全の要素を加えた、エリアと環境保全の基準を組み合わせた認証の提示に取り組みます。

メンバー

課題3:祖父江侑紀 Yuki SOFUE

祖父江 侑紀

Yuki SOFUE 

東京大学 農学生命学研究科 特任研究員

1991年北海道生まれ。博士(学術)。2014年酪農学園大学生生命環境学科卒業、2016年酪農学園大学大学院酪農学研究科博士前期課程修了、2019年千葉大学大学院理学研究科博士後期課程修了。2019年年国立千葉大学環境リモートセンシング研究センターにて特任助教,2022年東京大学農学生命科学研究科特任研究員を経て現在に至る。専門は植生リモートセンシング。モンゴルでの植生調査やフェノロジーに着目した衛星画像解析、インドネシアにおける水稲の収量調査および衛星画像を用いた水稲生育モニタリング、収量推定を実施。近年はブルーカーボンについての国際プロジェクトに参画し、インドネシア、フィリピンの土地利用・土地被覆変化の抽出とマングローブ林のマッピングを実施。
本プロジェクトでは、これまでの活動経験を基に、GIS・リモートセンシングを用いて、志摩市、東松島市を中心とした土地被覆の変化抽出、陸・海産品と土地被覆変化の関係についての調査、解析を行います。

内田 正紀

Masaki UCHIDA

東京大学 農学生命科学研究科 特任研究員

愛知県出身。名古屋大学工学部卒、同大学大学院環境学研究科にて修士(建築学)取得。専門は景観デザイン、景観評価。博士前期課程にて風力発電施設の3次元景観シミュレーションによる視覚的影響評価を行った。その他、グラフィックデザインの実践等を行う。本プロジェクトでは、食を通じた空間計画、合意形成のためのデザインについての調査・実践を行う。

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ALSAAIDEH BAYAN

東京大学 農学生命科学研究科 特任研究員

2012年千葉大学大学院理学研究科博士課程修了(リモートセンシング博士)。千葉大学環境リモートセンシング研究センター(CEReS)に勤務し、GLCNMOと呼ばれるグローバル土地被覆プロジェクトに参画。研究テーマは、都市やマングローブ林を中心とした全球および全国の土地被覆マッピング、地理空間データを用いた環境変化のモニタリング。現在、東京大学大学院農学生命科学研究科特任研究員。

6つの研究開発課題

研究開発課題1
研究開発課題1

研究開発課題2
研究開発課題2

研究開発課題3
研究開発課題3

研究開発課題4
研究開発課題4

研究開発課題5
研究開発課題5

研究開発課題6
研究開発課題6